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07-30


プーチンさん

国歌きちんと歌え…露大統領がサッカー選手に指令 (YOMIURI ON-LINE / 国際)
プーチンさん,プーチンさん。国歌演奏中は行儀良くするように。歌詞を知らないなら、せめてガムを噛むなと選手に伝えて欲しいって,歌詞を知らないであろうことを認めちゃうあたりの情けなさが,ちょっと好き。
それにしてもプーチンて不思議な人だよね。(いや今回のガムの件じゃなく)。
いかにもKGB出身の見るからに冷酷な悪党面なんだけど(失礼),常に紳士的に振る舞ってシッポ出さないですねぇ。
チェチェン問題でむちゃくちゃやってるじゃんとかそういうことを言っているのではなく,どうやって政治家として職務を全うするかという点に関して。
失言・スキャンダル等々をどのくらい闇でもみ消しているだろうかと想像してみたりもするけれど,そういうグレーな面も含めて,実に「きっちり」。大したもんだと思うけれど,疲れるだろうなぁ (^^;



改造民家の本屋

メルマガも書いたし,出かける予定も全くないし,たまにはダラダラしてもいいだろうと午後ベッドに寝転がって本を読んでいたら,予想したことではあったけれどしっかり眠り込んでしまった。
そして夢を見た。

古い民家を改造したような店舗に私が「久しぶりに帰って」くると,スタッフ達が全員当たり前のように奥の部屋へ会議のために移動し始めるのだが,どうやらそれは民芸品店でもなく,そば屋でもなく,本屋らしい。いやそれは,実際には使いにくかろう…と目が覚めてから思いはしたが(笑)
う〜ん。今でも本屋をやりたいのかな。木造で,バックヤードへの入り口が黒い桟の引き戸で,その向こうにちょっと薄暗い長い廊下があるような本屋ねぇ…。



誰が訳しているかで本を選ぶ

そんなことより聞いてくださいよ(って,どこからもつながってないだろ,話)
本を買おうかどうしようか迷う時に,タイトル,装丁(最近では若い人は特にイラストレーターがだれか,ですかね)などなどを参考にしている人は多いと思います。でもね,翻訳ものを買う時には誰が訳しているのかというのは非常に参考になるんですよ。
昔々はそれがある種の常識であった時期もあるんですが,最近このことに言及している人をほとんど見かけないので,あえて書いておきますよ。

私は翻訳ファンタジーものも好きなのですが,たとえば
「ラプソディ」ラプソディ―血脈の子〈上〉
これを買おうかどうしようか迷ったとしましょう。面白そうだという気はするのだけれども,どうも踏ん切りがつかない。
そんなときには,訳者である岩原明子で検索をかけてみるのです。
そうすると…
シリーズ後半は単なる冒険活劇に遂したきらいもあるけれど,前半は一種の異文化のぶつかり合いそのものが緊張をはらんで非常に面白かった魔術師の帝国 上 (1) に始まる『リフトウォー・サーガ』シリーズ。
剣士が訓練すれば筋肉が痛み,中世の石造りの城塞は湿気に悩まされるなどのリアリズムが個人的にツボにはまりまくった闇の戦い に始まる『ダールスワス・サーガ』三部作。
ファンタジーというよりジョン・アーヴィングなどアメリカ現代文学と肩を並べうる「幻想小説」の傑作としてかつて話題になったウィンターズ・テイル〈上〉
このような粒ぞろいのファンタジーを彼女が翻訳していることが分かります。
『ラプソディ』のシリーズは,多分,買って損しない確率がかなり高いと判断できます。

他の翻訳者を挙げるとすれば井辻朱美などはよい例でしょう。翻訳歴があまりにも長くなってきたので最近ではストレートに参考にならなくって来たかもしれませんが,かつては彼女が訳しているというだけでほぼ無条件で買っていたものでした。
なにしろあのトム・リーミイの沈黙の声,民俗学を下敷きにファンタジーを重層的に描き直したジェイン・ヨーレンの名作光と闇の姉妹,もはや「基礎教養」となったフイリス・アイゼンシュタインの妖魔の騎士,そして他でもないエルリック・サーガの全てを訳したのが井辻朱美なのですから。
ある本を買おうかどうしようか迷ったら,あるいは漠然と何か読んでみたいけれどどう探すか迷ったら,翻訳者から調べるということをやってみるのはとてもお勧めですよ。



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©akio ishizuka