IKIMONO net club
Real life Real world

09-22


わけあって武蔵小杉

人に会う用があったので武蔵小杉へ出かけてきました。
本筋の仕事がらみのお話はひとまず置くとして,メールマガジンの例の変なあとがきに興味をお持ちになった方がいたらしいということに,私は本気でビックリしました。
たったお一人でも興味をお持ちになった方がいたと知った以上は,続けることにします(オイオイ強引だな)。お気に召すかどうか分かりませんが,次回もお楽しみに。



版元さんのサイトが気になる

専門の部署があったり,しっかりとした会社に外注したりしている大手版元さんのサイトは別として,中小版元さんの WEB サイトが昔からとても気になります。
ほんの少しこんな風にいじれば分かりやすくなるのにな,とか,こんな風にすれば更新が楽になってもっと更新頻度が上げられるようになるのにな,とか,ついつい思います。
WEB サイトというと今でも多くの人が「格好のいいデザイン」という事ばかりに頭が行くようです。そして,とてもそんな技術はないとか,それをやってもらうためにどこかに依頼する予算がないとか,というネガティブな方向へ流れていき,結局またそのまま放置されたりしてしまいます。
まず WEB サイトは利用してもらうためにあるという考え方に立ってみてください。
どんなにデザインが格好良くても,二度三度と使おうと思える内容がなければ再訪はしないでしょう。なによりあちこちのサイトを見て回っているあなた自身がそうであるはずです。そしてあなたがしばしば訪れるサイトの全てが,素晴らしいデザインではない,という当然のことにも気付くでしょう。あなたがしばしば訪れるサイトの中には,素晴らしいデザインの所もある,というのが真実のはずです。

その視点に立って自社の WEB サイトを見て回れば,そもそも使えるサイトになっているかどうか。あるいはどうしたらより使いやすくなるのか,ということを,冷静に考えられるはずです。
使えるサイトにするために,あるいはより使いやすいサイトにするためには,メニューの位置を変えたり,強調するポイントを変えたりする必要が出てくるかもしれません。その判断に従って掲載されている情報の配置をすることが,すなわち WEB サイトのデザインです。
屈まないと押せないところにチャイムを設置する家はない。しかし子供には手が届かないほど高いところに設置してもいけない。その結果決まるのが「ドアのチャイムの設置場所のデザイン」です。

「使える」状態を維持するためには,更新し続けなければなりません。
更新し続けなければならない!という重圧にばかり目がいっていませんか。その重圧を感ずるので,ある時とうとう更新しないで放置するというネガティブな決断をしてしまうことにもなります。
更新し続けなければならない,ではなく,どうやったら楽に更新できるだろう。あるいは,どのようなコンテンツを用意すれば更新が楽だろう,というふうに考えればいいんです。

多くの版元さんがひょっとすると「うちのサイトなんてほとんど見られていないから・・・」と思っているかもしれません。それは勘違いです。今は非常に多くの人が,とりあえず Google などで検索をかける,という行動をしています。中には「お気に入り(ブックマーク)」に保存せず,お気に入りのかわりに毎回 Google を使うという人さえいます。
版元さんのサイトにも人は来ているのですが,そこで求めていた情報が得られなかったり,不足だったり,あるいは一度特定の情報が得られたあとは再び訪れる理由がそのサイト内に見つけられなかったりして,戻ってこないだけです。使えないサイトだと判定されてしまったわけです。

どうあるべきかということが分かったあとで,それを実際のデザインに反映させていくのが知識のある人やプロの仕事です。
簡単な実験をしてみてください。あなたの会社の WEB サイトを文字のサイズやフォントの種類を変えながら何度も見てください。デザインが大幅に崩れてしまったり,文字が変なところで折り返されて読みにくくなったりするようであれば,それはプロの仕事ではありません。(もちろん,文字の大きさが変えられないというのは論外です)。お金を取って作成しているのであれば,お金に値する仕事をしていません。
一番最初に言った,世間的な意味でのデザイン(格好のいいデザイン)を維持しながら,情報の配置の要求に応える(使えるサイトにする)ために専門知識を使うのがプロの役割です。






©akio ishizuka