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03-13


レイアウトのユーザビリティ

毎日やっている「弱者の立場になってみると」の続きです。
そうせざるを得なくてあらゆるWebページを文字を極端に拡大して見るようになってから,もしかするとメニュー部分と本文記事が並んでいるというレイアウトは,けっこうまずいかも,と思い始めました。
このサイトもそうですが,左側にメニューがあって(左側とは限らないのですがそれについてはあとでちょっと触れます)右側に本文があるというレイアウト,最近はさらに右側に補助的なメニューがあって三列になっていることもあるような,そういう典型的なレイアウトのことです。

まず,このようなレイアウトの場合,文字サイズは可変,それぞれメニューと本文の幅はブラウザ画面幅に対して%で決める,という指定でないとまともに閲覧することが難しくなります。
tableタグで作られているページは大抵は画面に収まらなくなるので横スクロールさせねばならず,これはたまりません。
実際にはtableタグで作られていても指定の仕方を工夫すれば一画面に収まるように表示させることが出来るのですが,どうもtableタグで整形する人はそういうことをあまり考えない率がひどく高いようです,残念ながら。
さてしかし,最大の問題は実はそういう「指定の思慮のなさ」ではなく,とても単純に横にメニューがあるとその分だけ本文部分の幅が狭い,ということです。
ある程度の文字の大きさまでならそれほど問題にはならないのですが,極端に文字を大きくしていくと,一行に収まる文字の数がどんどん少なくなります。これは当然です。
三列レイアウトで,しかもそれぞれのメニュー部分が比較的広めに幅がとられていたりすると,極端な場合,一行にほんの数文字しか入らなくなることもあります。これはかなりつらいです。
閲覧の仕方としてはかなり極端な例ですから,ダメだと決めつけるのは間違っていると思いますが,少なくとも,メニューが必ず左右どちらかに幅をとって表示させなければならないほどの数に達していないのであれば(つまりページの上や下に横に並べても収まりきる程度の数なのであれば),そのレイアウトを使うかどうかちょっと検討する気持ちは持ってみるべきかもしれません。

メニュー用のスペースを作らなければならず,何らかの事情で「拡大させていくとページがブラウザの幅からはみ出してしまう」ような指定もやむを得ない,というような場合も,やはりあるでしょう。
そのような場合には,メニュー部分を右に作ってくれると案外利用しやすいです。
ブラウザは基本的にはみ出したものを右へ追い出しますから,本文部分が大抵は画面の中に残ってくれます。
メニューが画面外にはみ出してしまっていては使いにくいだろうと思うかもしれませんが,メニューは使う必要がある時にしか使いません。それに対して,もし本文の右端がはみ出してしまっていると一行ごとに必ず画面の外が必要になってしまいます。
ですからどちらがよいかといわれれば,間違いなくメニューは右にあった方が被害が少ないのです。



行間は相対指定で

CSSによる指定が普及し始めてかえってそうなってしまったのかもしれませんが,たまに行間の指定がpxなどの絶対指定になっているケースを見かけます。
見かけますというより,今のように文字を極端に大きくして閲覧して回っていると,そういう部分は完全に行同士が重なり合ってしまって読めなくなってしまっているのですぐに分かります。
本文に指定されていることはさすがにほとんどありませんが,見出し的な部分では見かけることがあります。
ロゴに準ずるような部分というのは,作った時から文字数も当然固定されていて改行されて表示されることなどを全く想定していないことがほとんどでしょうから,うっかりそのような指定をしてしまっているということ自体に気付いていないのかもしれません。

気付いているけれど「きっちりレイアウトしたいからあえてやっているんだ」という場合には,もう少し努力してみてください,とお願いしておきます。
工夫を重ねれば相対指定だけを使ってもかなり「きっちり」レイアウトすることは可能です。
あらゆる部分を印刷物のようにpxで固定して拡大も縮小もさせること自体お断りだ,というのなら,まあ,お気に召さないでしょうが。






©akio ishizuka