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04-14


引き出しをあけるんじゃねーよ

INC総会だったので少し早めに出て都心の書店を数軒ぶらぶらした。どこも雨で客の入りはあまり良くなく,店員さんは棚整理などに精を出していた。
で,とある書店のでとある本に興味を持って眺めていたら「すいません」と声をかけられ,店員にストッカーを開けるのでどいてくれと意思表示された。
他の客に何かの在庫を尋ねられたわけではなく,補充がしたかったのは明らかだった。
…かなりムッとした。
私も非常に長いこと書店員だったので,せっかくそういう時間が手に入ったタイミングで補充や整理をしたいという気持ちはよく分かるけれど,それはやってはいけない。

たとえば飲食店で「あちらのお客様にビールをお出ししたいのですが,お客様が座っている腰掛けの下がストック場所です。立ってください」とは言わないよな。
そもそもそんなハメになる場所にストックしないし。
現状の書店ではそこにしかストック場所が確保できていないのだとしても,それはお客をどかせる理由にはなっていないということは頭にたたき込んでおかなければいけない。
実はちょっと面白い品揃えをしているなと好意を感じ始めていたところだったので,ますますがっかりした。それじゃあ,結局自己満足しかしていないということだよね。

他の書店で一冊本を買った。
「ありがとうございました」という声を聞きながら財布に札をしまい込んでふと顔を上げると,その店員さんは私にきちんと目線を会わせてかすかに笑みを浮かべていた。
ちゃんといちいち目線を合わせて「ありがとうございました」を言える書店員さんに会ったのは久しぶりだった。
前の書店でむかついていた気分が一気に直った。



総会

そんなわけで総会に出向いた。
今日は結局たったひとつのテーマを巡って延々と話し合うことになったけれど,まあこれはこれで面白かったな,と思う。皆さんも楽しんでくれたのならいいのだけれど…。






©akio ishizuka