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07-11


『出版をめぐる冒険』への物足りなさと違和感

『出版をめぐる冒険』出版をめぐる冒険
―利益を生みだす「仕掛け」と「しくみ」全解剖
アーク出版
¥2.310
うーん…。
すでにこの本を読んで,楽しんだり,参考になったりした方々,またそういう方から本書を薦められている方などを不快な気持ちにさせるかもしれないという申し訳なさを感じるので,読まないでください…って,それなら書くなって話ですが (^^;

正直なところなんとも言えない物足りなさと,かすかな違和感をおぼえました。直接知っている方(中には直に会話をさせていただいた方)もいる,という特殊な事情もあるのかもしれないけれど,本当に知りたいことはそのもっと先なんだけどなぁ,ということが多かった気がします。
まず,それが「物足りなさ」。
結局これは誰が読むと想定して書かれた本なのでしょう?
やはり本を巡る業界の人々が想定読者の中心でしょうね。
だとすると,所々で「著者は本当にそんなことに驚いているのか?」あるいは「驚いてみせることを利用して想定される読者に対して必要だと思われる説明を書くためにやっているのか?」と疑問に感ずるところがあるわけです。そして本当に驚いているにせよ,説明のために意識的にブリッ子をしているにせよ,ズレを感ずるわけです。
想定されている読者は,エピソードAに驚くと予想されている(あるいは,エピソードAの背景説明が必要であると予想されている)読者なのか?ということですね。
著者がものを知らないという中傷ではありません。著者は多分多くのことをちゃんと知っていると思います。ただ,想定読者の位置決めが少し違うのではないか,しかも章ごとに微妙にそれが揺れ動いてしまっているのではないか,と思います。

本書で紹介した出版社は,いずれも業界内で何らかの評価を受けている企業である。ただし,筆者がそのあり方に全面的に賛同しているわけではない。疑問点を完全に解明できなかった出版社もある。ビジネスモデルとしての価値判断は,最終的には読者に委ねたい。
---同書「エピローグ」より引用

という著者の言葉が,もしかすると,全てに影響しているのかなぁ,とも思います。
この手の本で,著者が必ず自分自身の意見なり提言なりをしなければいけない,というわけではありません。しなくてもいいです。
でもこの本では著者の賛同と反感がじわじわと本文に染み出しそうになり,それを排除しようとし,でもやはり染み出しそうになり…ということを繰り返しているような気がするんですね。
少なくとも私個人は,そのせいで読み終わった時に物足りなさと違和感をおぼえたのだろうと思います。参考資料としては役に立ったよね,という割り切った納得も出来ない。その一方では,著者が示している意見なり態度なりには賛同できるな,という連帯感も持てない。なんとも煮え切らない気持ちになってしまいました。



サイトのリニューアル話はダルいので

しばらく前から真剣にこのサイトのリニューアルを考えているのですが,今のところどうにも案が浮かびません。出来るだけシンプルで読みやすく,使いやすく,邪魔にならない程度に印象的なデザイン。でもそれが多分一番難しい。
…いや,やっぱりこの話はやめておきましょう。
個人のサイトのリニューアル話ってのは,読まされている方は案外つまらんものです。さんざん聞かされたあげくに「出来てきたのがこれかよ」って時もあったりしますし…オイラも含めてな ( ̄▽ ̄;)



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©akio ishizuka