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10-05


あんがいまともな主張…ではない

【横車】サブタイトルに愛情を (Sankei Web 読書)
いつも「今度はどんな暴言を吐いてくれるのかな」とある意味楽しみにしている人も多いであろうSankei Web 読書の【横車】なのだが,今回はあんがいまともな主張でネタとして楽しめない。前回は(ここに取り上げなかったけれど)文章自体が支離滅裂で結局何を主張したいのか分からないような状態だったけれど,まあ,忙しい時もあるんだろう,大変だね,などと思っていた。そして,今回あんがいまともな主張が出てきたので「実際に会ってみると,けっこういい人だったりする可能性も,実はあるなぁ」などとふと思ったりした…のだが,いや待て,ちょっと待て

たとえば、大きな「文学論」という文字の間を小さな「山嵐権之助の生涯」という文字が横断しているデザインの表紙があったとする。としているので,もちろんこのタイトルとデザインは架空のものだ。
しかし実に詳しくしつこく,扉・背表紙・奥付と辿っていってみせているので,実際にそういう有様になっている本が実在したのだろうという気になってくる。
本当に実在したのか?
実在したとすれば,それは本当はどの本のことなのか?

決めつけるつもりはない,そんな本は実在していなかったに違いない,と。
また,実在していてもその書名を公表するのは難しいだろう,ということも理解できる。
しかし,最終段落でもっとも、本は書店に平積みされる新刊のうちが勝負で、注文でコツコツ売る気など最初からない、と断言する出版関係者もいる。という刺激強めの文書を持ってきて一気に自分のこれまでの文章が「仮にこうだったら」という形でしか書かれていないことを忘れさせてしまうようななだれ込み方をするは,ちょっとだけ卑怯じゃないかな,という気もする。

今回はべつに非難したり,意見に反対したりするつもりはない。
実は相変わらず,あんがいまともな主張を書いている,などということはない,ということを検証してみただけ。



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©akio ishizuka